肉盛補修は可能ですか?
<肉盛り補修>
溶接施工者はよくご存じかと思いますが、硬化肉盛り材の記載事項と合わせて下記もご確認いただければと存じます。
①母材の清掃
母材表面のさび、油脂などを取り清浄な表面にします。
②予熱
硬化肉盛の溶着金属は割れやすく、予熱による硬さへの影響もあるため適切な予熱温度を設定します。
③下盛溶接
低合金鋼などの硬化性の高い母材への肉盛や、極めて硬い材料を肉盛する場合は、割れ防止のため下盛溶接が有効です。
下盛溶接には、低水素系の軟鋼溶接材料またはオーステナイト系ステンレス鋼溶接材料を使用します。
④溶接用治具
肉盛溶接では、できるだけ下向き姿勢で行うような治具を用いることが望まれます。そのため、ポジショナーやターニングロールを用いると効果的です。
⑤溶け込み
硬化肉盛溶接では一般に母材と溶接材料の成分が大きく異なるため、母材の希釈をうけると肉盛金属の性能が変化します。
溶接材料の特性を充分生かすためには母材の溶け込みをおさえる施工を行い、必要に応じて多層溶接を行ってください。
また、溶接のガイドラインにも記載がありますが、下記も参考にしていただければと存じます。